大日本茶道学会

ご挨拶

今年は、東京オリンピック・パラリンピックの年、7年前の招致の際の「お・も・て・な・し」の約束が国際的に試される年です。

「ホスピタリティ」という言葉があるように、もてなしは、日本に限らず世界中に存在する普遍性を持つものです。日本人の専売特許ではないとおもいます。しかし、それは何なのでしょうか?

人間の労働がAIを備えたロボットに置き換えられるという昨今の議論は、AIができることと、人間にしかできないことへの区別に意識的にならざるをえない状況を作り出しています。

記憶をもとにした判断は、AIの得意とすることです。それに対比させて人間にしかできないものは、「共感性をもとにした予測」とすると、「共感性をもとにした予測にもとづく配慮」が、もてなしではないかでしょうか。

日本中の人が、海外からの来訪者の気持ちになって接することができたら、日本はすばらしいもてなしの国と記憶されることになるでしょう。それだけではなく、共感力を高めることは、自分の人間としての価値を高めることでもあるとの認識も広がってくるものと考えています。これは、オリンピック・パラリンピックが終わった後の課題でもあります。

茶人は、もともと共感力が高い人々であったということこともあり、茶道の教習はどちらかというと知識と技の習得に力を注いできたように思います。

これからは、茶道を通じて共感力を高めることに自覚的なのが「茶道人」との課題を掲げて、茶道の魅力を再発見し、伝えてまいります。

令和2年1月1日
不積斎 田中仙堂

大日本茶道学会とは