大日本茶道学会

ご挨拶

新型コロナウィルスの感染の終息の見通しが立たない中でも、抹茶で認知機能の低下を抑制することができるなどの知見の拡大も含めて、抹茶への需要が拡大しているのは、喜ばしいことです。

もちろん、茶道人が抹茶を愛好してきたのは、健康食品としての効能に惹かれてだけのことではありません。「健康で豊かな生活」といったときの「豊かさ」とは、私たちの心の満足を意味しています。健康は、私たちの心の満足を下支えしてくれますけれども、健康だけを目的として暮すのも「味気ない」と感ずるのも事実です。

生活に「味気」や、「彩」をどのように感ずるかは、わたしたちを取り巻く文化によって決まってきます。「味気」、「彩」などの表現も日本文化の産物に他なりません。

日本文化を十分に享受するには、歴史に関する教養を獲得し、伝統的感性を涵養する必要があります。この作業が、味気と彩を増してくれます。一人では、くじけてしまいそうな、この手間のかかる作業をお手伝いすることも、茶道に求められていることだと再認識しております。

従来通りの行事のやり方が困難になっている今、茶道が「新たな日常」の支えとなっていきたいと思います。

令和3年1月1日 不積斎 田中仙堂

大日本茶道学会とは