大日本茶道学会

ご挨拶

神宮外苑のオリンピック・スタジアムも地上での形を表してきています。2025年の大阪万博も決定しました。1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博を経験した世代としては、どこか既視感にとらわれる時もあります。

しかし、高度成長時代によってすでに経済大国となった日本に、今、求められているのは、単なる夢をもう一度、ではないはずです。

世界からは、わが国が伝えてきた文化的な豊かさに一層注目が集まり、来日外国人に向けた日本文化発信の拠点もさまざまに整えられてきています。万博開催決定を契機に、その動きがさらに継続することになりましょう。

茶道が、単に日本のさまざまな伝統を包摂して伝えてきた役割を正しく認識していただくだけではなく、茶道がこれからも日本の伝統を活性化させる総合力を持った存在であると認めてもらうように活動することが求められています。

幸いなことに、茶道は伝統文化を発信するのに欠かせないものとして認識されています。しかし、茶道は、単に点前のパフォーマンスをみせるショーも茶を振舞う給仕役でもありません。親しみやすく噛み砕くこと、私たちが大切にしてきたものの核心を伝えることを、上手く一致させることに心を砕かなければなりません。時に、「茶道は遊芸に非ず」と訴えた仙樵居士の言葉を思い起こさせられる場面も出てくるでしょう。

そんな時に、先人が茶道で大切にしてきたものをしっかり把握して、つたえていくのが「茶道人」との自覚をもって、皆様と百二十周年という節目を終えた新たな歴史の一歩を踏み出してまいります。

平成31年1月1日
不積斎 田中仙堂

大日本茶道学会とは