令和8年は午年です。昨年は、巳年にちなんで「脱皮」という課題を掲げました。本体である本質は変えずとも、古い殻を脱ぎ捨てることで一回り大きく成長し、周囲からも「新たになった」と見直されることを目指しました。そこで、脱皮によって新しくなった身体を使い、力強く大地を駆け、次なるステージへと跳躍する年にしたいと考えています。
これまで私たちは、AIにはできない人間ならではの「共感性をもとにした配慮」を茶道の根幹に据え、コロナ禍という閉塞的な時期にあっても、茶道が「心の満足」や生活の「彩り」を支える文化であることを再認識してきました。また、「花嫁修業」という言葉が過去のものとなった現代において、私たち自身が茶道の魅力を主体的に発信していく覚悟も固めてまいりました。
一昨年に着手した「相手の関心に応じて差し出す」という試みは、茶の生産・流通に関わる方々や和文化に関わる方々との間に、確かな接点を生み出し始めています。今年は、その広がりをさらに加速させ、一見接点がないと思われる分野へも、軽やかに、かつ力強く踏み込んでいく「駆動力」が求められています。
伝統とは、形を守ることだけではありません。時代の風を感じながら、新しい自分たちを見せていく勇気こそが、道を未来へと繋げます。新しく生まれ変わった「茶道人」として、皆様と共に、この豊かな文化の魅力をさらに遠く、広く伝えていく躍動の年にしてまいりましょう。
令和8年1月1日