大日本茶道学会

【ミッションステートメント】第25回 「日々実践」 を追加しました

「田中君は、家では抹茶しか飲まないの」と聞かれたのは、中学生の頃でした。皆様は、もちろん茶人だからといって、コーヒーも紅茶も飲まないわけではないということはよくご存知だと思います。それなのに、「茶道の理念を日々実践する」と聞いたら、実際に茶会を開いたり、稽古をする、とまではいかないにしても、少し難しく考えてしまっているのではないでしょうか?

「茶道の理念」とは、茶道を通じて体得したものを抽象的に表現したものです。しかし、すこし堅苦しすぎて難しく考えさせすぎてしまったかもしれません。

例えば、稽古場で所作が荒い、脇が空いていると言われたら、吊り革に手を伸ばす際に手延ばし方に気を付ける、だけでも「茶道の理念を実践する」ことになります。

歩く時に足音に気を付けるように言われたら、それを畳の上を歩く時だけでなく、靴を履いて道路を歩く時でも、足音が荒くないか、省みるのも実践です。

もちろん、「和漢の境を紛らかす」という言葉を聞いて、現代において和漢の境を紛らかすことはどういうことだろうと考えるのも、実践になります。「理念」ということばからは、そちらの方がイメージに近いかもしれません。

それならば、「理念」をアイデアという英語に置き換えていただいた方が、良いかと思います。特に高尚である必要はなく、考えたこと思ったことすべてがアイデアなのです。つまり、茶道を通じて気が付いたことを、少しでも日常に生かすことが実践です。それならば、日々実践できますよね。

                                               会長 田中 仙堂 (平成30年5月発行 会報「えんじゅ95号」掲載)

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