ご挨拶

平成30年に創立120年を迎える大日本茶道学会は、曽祖父、田中仙樵が、明治31年に創立し、近代における茶道の自己変革を促しました。明治維新以降の混乱の中にあって、財界人の社交の手段として復興しかけていた茶道に対して、日本文化を代表するものとして評価すべきと唱え活動したのです。併せて茶道の伝承に対する制約を取り除き、日本人誰もが享受できるようにすそ野を広げました。そのことで、財界人に限らずより多くの日本人が、茶道を通じて日常を豊かにし、さらに人生の支えとする関わり方への道を開きました。
父、田中仙翁は、茶道を生み出した本来の日本人の美意識にまでさかのぼって「用の美」を再発見して、茶道を美として生きることを実践しました。
大きな転換点を迎え、変わりつつある今、会長に就任するにあたり、創立時の理想を見失わないように会を指導すると同時に、歴代会長が切り開いた道に対する世間の理解を深め、より多くの人々がこの道に進んでいくように努める所存です。
本会が、次代に茶道を伝える役割を果たせますように、皆様のご支援をお願いして、就任の挨拶とさせていただきます。

田中仙堂

平成29年1月1日
 不積斎 田中仙堂